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給与の支払いを行っている事業者のみなさまは定額減税にご注意を

2024.02.19

 令和5年12月22日、令和6年度の税制改正大綱が閣議決定され、その中に定額減税が盛り込まれました。令和6年分の所得税、および、住民税から定額(1人あたり所得税3万円、住民税1万円)を減税することとされており、一見すると簡単な制度に思われますが、平成10年に行われた定額減税とは異なり煩雑な制度設計となっています。給与の支払いを行っている法人、個人事業主のみなさまには、大きな事務負担が生じる可能性があるので注意が必要です。

 以下、給与の支払いをする事業者側が行わなければならない、給与の支払いを受ける人(給与所得者)に関する所得税の定額減税に限って、おおまかな手順をご説明します。

①給与所得者ごとに定額減税額を算定する

 給与所得者1人あたりの所得税の定額減税額は、「30,000円×(本人+同一生計配偶者+扶養親族の数)」となります。

 ※同一生計配偶者:所得が48万円(=給与収入103万円)以下の配偶者

②給与及び賞与の源泉所得税から減税する

 本年6月1日以降に支払う給与・賞与をいつも通り算定し、算定した源泉所得税額から①の定額減税額を差し引きます(その結果、給与所得者の手取りが増えます)。差し引ききれなかった定額減税額は、次回以降の給与・賞与の源泉所得税から差し引きます。令和6年中は、定額減税額の残高がゼロになるまで、これを繰り返すことになります。

 よって、定額減税額が少なく、源泉所得税額が大きい人は1回で処理が終わる場合もありますが、そうでない場合には、毎月の定額減税額の残高を把握しながら、12月まで事務処理を継続して行わなければなりません。

 

 減税の恩恵をなるべく早く納税者に受けさせたいという趣旨から、このような制度設計になっているのだと思われますが、給与支払事務を行う側にとっては、事務負担を押しつけられる制度となっています。給与の支払いを行っている事業者のみなさまは、早めに対応を検討しておくのが得策かと思います。

 定額減税についての詳細は、国税庁が設けている特設サイトにてご確認ください。

 定額減税特設サイト