損金計上か?資本的支出か?|機械装置の移設費用

 鎌ヶ谷市・船橋市の友田税理士事務所です。

 事業所の移転のため、業務の効率化を図るため、新規設備の導入のためのレイアウト変更など、法人が業務に使用している機械装置を移設する場合があります。その費用は多額に上る場合もあれば、少額で済む場合もあるでしょう。機械装置の移設費用は修繕費等として一時に損金計上できるのでしょうか。それとも資本的支出として資産計上しなければならないのでしょうか。

1.原則
2.例外
 2-1.集中生産を行う等の場合
 2-2.移設に多額の据付費を要する場合
 2-3.損金に算入できる場合
3.まとめ

1.原則

 一般に機械装置の移設に要した費用の額は、修繕費等として移設時の損金として処理することが認められています(法人税基本通達7-8-2(2))。

2.例外

 例外として2-1、2-2の場合には、資本的支出として取り扱うこととされています(法人税基本通達7-3-12)。

2-1.集中生産を行う等の場合

 集中生産、または、より良い立地条件で生産を行う等のために機械装置を他の事業場に移設する場合には、それにともない価値や効用が高まると考えられることから、運賃、据付費等の移設に要した費用は、その機械装置の取得価額に算入する(資本的支出とする)こととされています。

※新規機械装置の導入にあたり既存の機械装置の配置換えが必要になったような場合には、主目的はあくまで新規設備の導入であり、既存設備の移設は付随的に生じたものであることから、通常の移設として損金算入を認めることとされています。

2-2.移設に多額の据付費を要する場合

 ガスタンクや鍛圧プレス機などのように移設に多額の据付費用を要する機械装置を移設する場合にも2-1と同様、運賃、据付費等の移設に要した費用は、その機械装置の取得価額に算入する(資本的支出とする)こととされています。

2-3.損金に算入できる場合

 2-1、2-2に該当する場合であっても、以下のような場合には損金算入が認められています(法人税基本通達7-3-12)。

(1)収用換地等にともなって移設が行われた場合

 租税特別措置法65条の2に規定する収用換地等、すなわち、公共事業の施行にともなって移設を余儀なくされた場合には、法人の意思とは関係ないことから、これを単純に資本的支出として取り扱うのは妥当でないとして、移設費用を損金に算入することが認められています。

(2)移設費用が移設直前の機械装置の簿価の10%以下の場合

 移設費用の合計額が、機械装置の移設直前の帳簿価額の10%以下である場合には、損金算入が認められています。この場合、損金算入が認められるか否かの判定に使用するのは、取得価額でなく帳簿価額であることに注意が必要です。

3.まとめ

 機械装置の移設費用は、一見してその機械装置の効用や価値を高めるものではないため、支出時に損金として処理してしまいがちですが、2-1、2-2に該当する場合には、資本的支出として取り扱うこととされているので注意しましょう

 

※上記内容は、執筆時の法令に基づいています。

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